教育モデル

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三重大学 – 教育内容の特色

【専門医師養成コース】

カリキュラムの特徴

 専門医師養成コースでは、がん臨床・研究に必要な知識と技能を総合的に習得できる科目として、コース共通科目1とコース共通科目2を全コースの必修科目として開設しています。コース共通科目1は、がん全般にわたる基礎と臨床についての内容からなる「がん医療学総論」の講義とがんプロフェッショナル養成基盤推進プランが推奨する大学院セミナーから構成されています。コース共通科目2は、各がん腫における基礎と臨床についての内容からなる「がん医療学各論」の講義と病棟での緩和ケア実習及び毎月、がん関連診療科の医師が参加して開催されているtumor board(腫瘍症例検討会)、e-ラーニングより構成されています。また、腫瘍内科専門医養成コース、放射線腫瘍医養成コース、婦人科がん治療専門医養成コース、乳腺外科専門医養成コース別にそれぞれ分野科目が選択必修科目として開設され、各コースで必要な専門的知識と技能を習得できるように設定されています。

コース共通科目 専門医養成コース区分 単位数 授業形態
腫瘍内科専門医養成コース 放射線腫瘍医養成コース 婦人科がん治療専門医養成コース 乳腺外科専門医養成コース
必修 コース共通科目1 がん医療学総論
(がんプロ推奨大学院セミナーを含む)
2 講義実習
コース共通科目2 がん医療学総論
(緩和ケア実習、tumor boardを含む)
4
合計 6
分野科目 必修選択 研究分野科目
(各専門医師養成コース分野科目より2科目選択する)
12 演習
12 演習
合計 24
総計 30

コース共通科目1の概要

がん医療学総論

 尚、講義内容は、年度により変更があるため、一部の例を下記に示す。

  • 1.がん研究に有用な病理学的手法
     正常細胞とがん細胞の構造について理解し、基本的ながんの病理学について理解を深める。
  • 2.環境因子の免疫修飾作用
     環境化学物質による発がんとその進展に対する影響について理解する。
  • 3.疫学の現状と課題
    がん死亡率減少達成のための疫学調査の推進とその課題について学ぶ。

がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン推奨大学院セミナー

  • 1.がんチーム医療研究会
     三重県内のがん診療連携拠点病院における医師、薬剤師、看護師等の多職種によるチーム医療の取り組みを知ることにより、がん治療におけるチーム医療の重要性について理解を深める。
  • 2.三重骨軟部疾患集学的治療研究会
     がんの骨転移に対して、各診療科、職種の垣根を超えた集学的治療について理解を深める。
  • 3.治療早期からの集学的緩和ケアを考える会
     がんの治療早期からの職種の枠を超えたチーム医療、集学的緩和医療の必要性、重要性について理解を深める。
  • 4.乳がん薬物療法研究会
     乳がんに対する薬物療法についての基本的な考え方と化学療法、ホルモン療法、分子標的療法における最新治療について学ぶ。
  • 5.三重肺癌研究会
     三重県で行われている肺癌に対する手術療法、化学療法、放射線療法、ラジオ波凝固療法等について学ぶことにより、肺癌の集学的治療についての理解を深める。
  • 6.三重リンパ腫フォーラム
     悪性リンパ腫に対する診断と治療についての基本的な考え方について学ぶとともに、標準的な化学療法から化学放射線療法、分子標的薬を含めた最新の治療法について理解を深める。
  • 7.三重県産婦人科腫瘍研究会
     三重県で行われている卵巣癌、子宮癌に対する手術療法、化学療法、放射線療法等について学ぶことにより、婦人科癌に対する集学的治療についての理解を深める。

上述のセミナーは今後さらに追加される予定です。

コース共通科目2の概要

がん医療学各論

尚、講義内容は、年度により変更があるため、一部の例を下記に示す。

  • 1.がん免疫療法の新展開
     がんと宿主免疫機構の中で、がんの抗原性、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、制御性T細胞の関わりについて学び、新しいがん免疫療法について理解を深める。
  • 2.転移性骨腫瘍
     骨軟部腫瘍における転移性腫瘍についての診断と化学療法、放射線療法、光線力学療法についての適応と治療効果について理解する。
  • 3.PET-CTの臨床応用
     各がんに対する画像診断法の中でのPET-CTの位置づけ、臨床的有用性について理解する。

緩和ケア実習

・緩和ケアチームの一員として、各科入院病棟での回診、全体での緩和症例検討会に参加し、各がん腫の患者の身体的、精神的、社会的苦痛を的確に評価し、がん患者が質の高い療養生活が送れるように適切な対応ができる高度な診療能力を修練する。

習得目標

  • 1.至適支持療法(BST)・緩和医療に徹すべき時点の判断を的確に行い、外科的手術療法の適応、非適応、放射線療法の適応と限界、化学療法の適応と限界を理解し、的確な判断が下せる。
  • 2.がん患者の意向を尊重した効果的なコミュニケーションができる。
  • 3.WHO方式がん疼痛治療法を理解し、がん患者の身体的苦痛に的確に対処できる。
  • 4.がん患者の精神的、社会的苦痛に的確にアプローチし、適切な対応ができる。
  • 5.臨死期のケアを適切に実施できる。
  • 6.患者死後、家族への対応を適切に実施できる。
  • 7.緩和医療を看護師、薬剤師などのコメディカルとともにチーム医療として実践できる。

tumor board

・がんの診断や治療方針の決定が困難な症例について、正確な診断、適切な治療法の選択を行うために病理医、放射線診断医、関連の各専門診療科の医師が一同に集まり定期的に開催されるtumor board(腫瘍症例検討会)に参加し、がんの的確な診断法、各科横断的な症例に対する集学的治療の実際、各診療科間での連携による治療の実際について、症例ベースで理解する。

習得目標

  • 1.職種、診療科にとらわれず、議論に参加することにより、がんに対する理解を深める。
  • 2.がん組織の病理学的診断についての理解を深める。
  • 3.がんの画像診断法について理解を深める。
  • 4.がんの正確な診断に至るプロセスを理解する。
  • 5.がんに対する各種治療法の適応と限界を理解し、適切な治療方針を決定することができる。
  • 6.各診療科の連携が必要な集学的治療の効率的な進め方について理解する。

各専門医師コースの概要

1.腫瘍内科専門医養成コース

コース概要:
 「腫瘍内科専門医養成コース」は、日本臨床腫瘍学会が米国臨床腫瘍学会(ASCO)と欧州臨床腫瘍学会(ESMO)が推奨するグローバル・コアカリキュラムに基づいて作成した「がん薬物療法専門医のための研修カリキュラム」に則った研修を行い、日本臨床腫瘍学会が認定する「がん薬物療法専門医」の資格取得を念頭において指導が行われます。更に、医学研究科博士課程において必要な単位数を修得し、研究指導を受け、学位論文を作成して、最終審査に合格することにより、大学院医学研究科博士課程を修了することを目的としています。

2.放射線腫瘍医養成コース

コース概要:
 「放射線腫瘍医養成コース」は、放射線腫瘍学に関する専門知識と臨床技能を有する医師を養成し、日本医学放射線学会・日本放射線腫瘍学会の定める臨床実績を経て、同学会の放射線治療専門医の資格取得を目指します。また、粒子線治療施設と連携を組み、研修及び研究を行います。さらに、博士課程の学位論文を作成し、博士課程の最終審査に合格し大学院医学系研究科博士課程を修了することも目的としています。

3.婦人科がん治療専門医養成コース

コース概要:
 「婦人科がん治療専門医養成コース」は、婦人科腫瘍に関する十分な専門的知識と臨床技能を有する医師を養成し、日本婦人科腫瘍学会認定の婦人科腫瘍専門医を修得することを目的とする。更に、本コース受講者は、この期間に婦人科腫瘍学総論・各論に加えて、放射線腫瘍学、がん薬物療法学、臨床統計学など臨床腫瘍学の理解に必要な様々な講習を受講し、臨床試験や臨床研究の立案ができる能力を養い、実際に、臨床研究責任者となり臨床試験の立案・実行を行う。さらに、その臨床研究により博士課程の学位論文を作成し、博士課程の最終審査に合格し大学院医学系研究科博士課程を修了することも目的としている。

4.乳腺外科専門医養成コース

コース概要:
 「乳腺外科専門医養成コース」は、乳癌の手術療法を中心とした最先端の乳癌診療を実践しながら、臨床研究を先導できる高度な乳癌診療専門医を養成することを目的とし、日本乳癌学会認定の外科系乳腺専門医と博士号修得のためのトレーニングおよび研究が平行して行えるコースである。三重大学医学部附属病院は日本乳癌学会の研修施設に認定されており、学会の指定する専門分野に関する基本的事項カリキュラム、各専門分野カリキュラム、いずれの修練も十分に行える体制を構築しており、本コースで行われる研修内容は、同学会の専門医取得プログラムとの連携が成されている。更に、本コース受講者は、この期間に乳腺腫瘍学総論・各論に加えて、放射線腫瘍学、がん薬物療法学、臨床統計学など臨床腫瘍学の理解に必要な様々な講習を受講し、臨床試験や臨床研究の立案ができる能力を養い、実際に、臨床研究責任者となり臨床試験の立案・実行を行う。さらに、その臨床研究により博士課程の学位論文を作成し、博士課程の最終審査に合格し大学院医学系研究科博士課程を修了することも目的としている。

【がん専門薬剤師養成コース】

コース概要
 「がん専門薬剤師コース」は、医学系研究科博士課程での教育の上に、がん医療に携わる専門薬剤師として必要な知識や技能を習得できるコースとして開設され、コースの履修中や修了後に(一社)日本医療薬学会が認定するがん専門薬剤師の認定資格の取得を目指し、臨床研究での学位取得が出来るよう教授します。

 本コースでは、「がん医療学総論」、「がん医療学各論」を教授し、加えてコアカリキュラムとして「がん専門薬剤師」の認定に必須な知識及び技能を修得する専門修練カリキュラムを提供します。

カリキュラムの概念

コース共通科目 がん専門薬剤師コース 単位数 授業形態
必修 コース共通科目1 がん医療学総論
(がんプロ推奨大学院セミナーを含む)
2 講義実習
コース共通科目2 がん医療学各論
(緩和ケア実習を含む)
4
合計 6
分野科目 必修選択 医療薬剤学 12 演習・実験実習
腫瘍薬効評価学 12 演習・実験実習
合計 34
総計 30

【チーム医療を促進するがん看護を専門とする看護師養成コース】

コース概要:
 「チーム医療を促進するがん看護を専門とする看護師養成コース」は、医学系研究科看護学専攻修士課程において、がん医療に関わる専門的な知識と患者理解・援助のための理論を修得し、優れたがん看護を提供できる看護師を養成するコースとして開設されました。

本コースには、専門看護師コースと修士論文コースがあり、がん看護専門看護師コースは、日本看護系大学協議会の専門看護師教育課程として認定されています。

専門看護師コースでは、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対し、ケアとキュアを統合した質の高い看護ケアを提供する「がん看護専門看護師」を育成しています。本コース修了後、日本看護協会が行う認定資格審査に合格すると、「がん看護専門看護師」の資格を取得できます。

 修士論文コースでは、がん看護を専門とする教育者や研究者、あるいは専門看護師としてではなく、がん看護領域を専門として臨床で実践を重ねたい看護師を育成します。

カリキュラムの概念

授業科目 単位数 CNSコース 修士コース 授業科目 単位数 CNSコース 修士コース
看護共通科目 看護理論 2 必修 必修 専門科目 がん看護対象論Ⅰ 2 必修 必修
看護研究法 2 必修 必修 がん看護対象論Ⅱ 2 必修 必修
看護倫理 2 必修 選択 がん看護対象論Ⅲ 2 必修 選択
看護管理学 2 必修 選択 がん看護援助論Ⅰ 2 必修 必修
看護コンサルテーション論 2 必修 選択 がん看護援助論Ⅱ 2 必修 必修
看護生涯教育論 2 必修 選択 がん看護援助論Ⅲ 2 必修 選択
看護病態機能学Ⅰ 2 選択必修 選択 がん看護実習Ⅰ・Ⅱ 7 必修
看護病態機能学Ⅱ 2 選択必修 選択
フィジカルアセスメント 2 選択必修 選択 研究 看護学特別研究 6 必修
看護情報統計学 2 選択 選択 看護学課題研究 10 必修
国際比較看護論 2 選択 選択
看護セミナー 2 選択 選択

カリキュラムは、「看護理論」「看護研究法」等の看護共通科目と、がん看護学に関する専門科目と実習、そして看護学研究により構成されています。

 専門看護師コース(CNSコース)では、がん看護実習Ⅰ・Ⅱを含む合計43単位以上の履修を推奨しています。修士論文コースでは、看護共通科目、専門科目、看護学特別研究を含む合計30単位以上を履修します。